2月3日の節分から2月4日の立春を経て、いよいよ2月10日の旧正月となりましたが、皆様、如何お過ごしでしょうか。
今年は、立春を過ぎてから東京でも積雪が記録され、久々の雪が、まだ道路脇に残っていたりしますが、ここ数日は少し暖かさを取り戻しつつあります。
旧暦の時代では、今日がお正月ですから、年賀状に「賀春」とか「迎春」とか書いた気持ちに実感がありますよね、多分、日本人の季節感が歴に合わせて作り込まれていったのだとは思いますが、日本人の季節に対する敏感さに感心させられます。
ところで、新型コロナ感染症が5類感染症に変わってから、初めての節分を迎えた今年は、各地で盛大に豆まきが行われたことだと思います。
節分の豆まきは、災厄をはらい、一年の幸福を祈るという伝統行事です。
豆をまいて「邪気を払う」とも言いますが、そもそも、邪気を追い払うとはどういうことでしょうか。
一般的には、邪気を「鬼」と表現して、「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまきますが、有名な成田山新勝寺の豆まきでは、「鬼は外」とは言わずに「福は内」とだけ唱えます。
成田山新勝寺のHPによれば、「これは不動明王の慈悲が大きいので、邪悪な鬼も屈服し改心してしまうからです。」ということですが、「邪悪な鬼が改心する。」邪気とはまさにここにあると思います。
つまり、邪気とは鬼にあるのではなく、私たちの心の中にあるもので、邪気を払うとは、単に豆をまくという行為ではなく、豆をまくことで、自らの心の中の邪気を払う、つまり「改心」することではないでしょうか。
新暦では、新しい年が始まって1ヶ月が過ぎたところですが、旧暦のお正月を迎えようとする立春の頃、改めて今年一年の幸福を祈って、自らの心の邪気を払うきっかけとするのが節分かもしれませんね。
有信会東京支部 支部長 松下和徳 令和6年2月10日(旧暦:睦月1日)立春の巻